心気症、胃をぶっ壊す
3年前の秋、とても胃の調子が悪かった。少し食べただけでお腹がいっぱいになるし、空腹・満腹問わず胃が痛重かった。
始めは、「きっと夏の疲れを引きずっているんだろう」「どうすれば治るかな〜」と軽い気持ちでGoogle検索をした。【胃痛 原因】
もし、しかる●こが心気症経験者なら眉を顰めてここで言うだろう「ググるのだけはやめなさーい!」
製薬会社やどこかの消化器内科のHPでは、胃炎だとか十二指腸潰瘍とか、素人でもなんとなく知っている胃腸疾患の説明がなされている。そしてだいたいページの一番下に、めちゃめちゃ大事なあの病気の名が鎮座している。
『スキルス胃がん』
書いていてすでに怖いから端折るが、通常大半の胃がんは50歳以上の人に多いのだが、このスキルス胃がんと言うやつは比較的若年層、しかも女性にやや多いという。
若い女性であるところの私は、一気に血の気が引いた。ここ一ヶ月の胃の不調、ガスターを飲んでも良くならない不快感そして膨満感。私スキルスかもしんない。
その晩、私はベッドに潜って【20代 スキルス】【スキルス 初期症状】などと微妙にキーワードを組み替えては検索しまくった。
もう心気症のし●るねこはブチギレるであろう「今すぐスマホの電源を切りなさーい!」しかるね●、そのままスマホを窓から捨てても良かったんだぞ。
世間には、闘病ブログなるものがある。故・小林麻央氏も綴っていたことは皆さんもご存知であろう。自分の生きた証を残したい、病に負けたくないという一心で執筆していたことと思う。しかし、我々心気症患者と闘病ブログは非常に相性が悪い。
喩えるなら、ハチマキを持たないエレキブルが初手ガブリアスの地震をくらうのと同等である。(※私のポケモン対戦の知識はXYあたりで止まっている)
私が見て(しまって)きたブログにも、「始めは軽い胃もたれだった」、「若いから大丈夫!と精密検査しなかった」患者さんがいた。そして病気発覚から数年後の最新記事の多くが『皆様へ』なのである。これ以上はもう語るまい。
念のため言っておくが、私は闘病ブログを批判しているのではない。書く自由があると同時に、見ない自由もあるからだ。
次回は、私が胃内視鏡検査を受けた話を書こうと思う。なにせ3年前のあの日はまさかこんなことブログに書くなんて考えてなかったから、今必死に当時を思い出しているのである。